日本で最初の写真スタジオは?
「フォトッチ」では、お客様がたくさんのスタジオから自分に合ったものを選べるように、掲載写真館を追加しております。
最近では、老舗の写真館も加わっています。
そこで、日本で最初にできた写真スタジオを調べてみました。
今から160年ほど前、1862年に
「下岡蓮杖(しもおかれんじょう)」が、横浜市に写真館を開業、
「上野彦馬」が、長崎市に“上野撮影局”を開業と一般的に言われていました、
近年の研究で、その前年1861年に。
「鵜飼玉川(うかいぎょくせん)」が、薬研掘(現東京都日本橋)に“影真堂”という写真スタジオを開業されているそうです。
多くの門下生がいる「下岡蓮杖」、坂本龍馬、高杉晋作など幕末に活躍した名士を撮影した“上野撮影局”があまりにも有名で、“影真堂”がまさに影となって、歴史に埋もれてしまっていたのでしょう。
また、1862年に「島霞谷(しまかこく)」が、下谷(現東京都台東区)に写真スタジオを開業したという話もあるようです。
よくよく調べてみると、外国人が開業した写真スタジオが、それより前にあるようです。
「オリン・フリーマン」が1860年に、開港後の横浜で開業しています。
このフリーマンから「鵜飼玉川」は写真術を学んでいます。
また、「ジョン・ウィルソン」も同じ時期に横浜でスタジオをしており、後に「下岡蓮杖」に譲っているという記録もあるようです。
他にも、1854年(安政元年)ペリーが日米和親条約の締結により、開港地に選定された函館を検分するための滞在中、ペリーに随行した写真家「エリファレット・ブラウン・ジュニア」が実行寺にスタジオを半月ほど構えた記録があるそうです。
まとめると、このようになります。
1854年 函館 「エリファレット・ブラウン・ジュニア」
(一時的だが日本で開業した最初のスタジオ)
1860年 横浜 「オリン・フリーマン」「ジョン・ウィルソン」
(日本で開業した最初のスタジオ)
1861年 東京 「鵜飼玉川(うかいぎょくせん)」
(日本人が開業した最初のスタジオ)
1862年 横浜 「下岡蓮杖(しもおかれんじょう)」
長崎 「上野彦馬」
東京 「島霞谷(しまかこく)」
幕末の開国で外国の文化とともに写真・写真スタジオが伝来したのですね。
参考資料
幕末明治の写真師 総覧 https://shashinshi.biz/archives/9300
歴人マガジン https://rekijin.com/?p=13499
全日本クラシックカメラクラブ http://www.ajcc.gr.jp/2018_09__Izakura_Naomi_Report.pdf
横浜開港資料館(1) http://www.kaikou.city.yokohama.jp/journal/085/085_02.html
横浜開港資料館(2) http://www.kaikou.city.yokohama.jp/journal/images/kaikouno-hiroba_49.pdf
UAG美術家研究所 https://yuagariart.com/uag/tochigi15/
みんなからのコメント
コメント不可